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CSRの取り組み

特集

開発物語:“チーム・ブラザー”の総合力が花開いた「マイミーオ」

2011年9月、日本で“プリンターに、第3の選択肢”というキャッチコピーで登場した新型「マイミーオ」は、高性能とリーズナブルな価格で話題になりました。ブラザーが総力を挙げて開発したこの製品が、どのようにして誕生したのか。その舞台裏をご紹介します。

高速エンジン*1を家庭用プリンターに

2011年9月に発売した新型「マイミーオ」
2011年9月に発売した新型「マイミーオ」
2011年9月に発売した新型「マイミーオ」

ブラザーは、2009年に画期的なA3カラー複合機を開発。この製品に搭載された新型の高速エンジンはA3用紙で従来比2.2倍というカラー印刷スピードと高画質を実現し、ビジネス市場で大きな反響を呼びました。
そして、次に手がけたのが同タイプの高速エンジンを搭載した家庭用プリンターの開発です。プリンターの心臓部であるエンジンを革新させたとはいえ、家庭用プリンターには、サイズやデザイン性、多機能性や価格など、ビジネス用以上にライバルをしのぐ優位性が求められます。新型「マイミーオ」のプロジェクトチームは、開発リーダーのもと、エンジンの設計、原稿の読み取り/給紙装置(ADF*2)など製品本体の設計、製品デザイン、ソフトウェア、生産技術などのグループに分かれ、互いに連携をとりながら高い目標を掲げて挑戦することになりました。

  • *1: エンジンとは、ブラザーにおいては特定の機能を果たすための処理装置(プログラムやハードウェア)のこと。
  • *2: Auto Document Feederの略。

高速エンジンと連続給紙機構で3倍以上のスピードを

高速エンジンの搭載で格段に印刷速度が向上
従来ヘッド
高速エンジンの搭載で格段に印刷速度が向上
新型ヘッド
高速エンジンの搭載で格段に印刷速度が向上
一枚目の排紙と同時に次ページの給紙を開始。連続給紙機構で、さらにスピードアップ
一枚目の排紙と同時に次ページの給紙を開始。連続給紙機構で、さらにスピードアップ

エンジン担当グループはA3カラー複合機で実証した技術を「マイミーオ」に展開しました。ノズルの配置密度とノズル数を2倍にしてインクヘッドの移動回数を半減し、高画質を保ちながら印刷速度を大幅に向上しています。
さらに、1枚目の排紙と同時に次ページの給紙を始める「連続給紙機構」を採り入れ、給紙・排紙時間の無駄を大幅にカット。この結果、A4普通紙のカラー印刷のスピードを従来のマイミーオの3倍以上にアップさせました。

1mmでも薄く、数mmの隙間もムダなく

厳守すべきコンパクトサイズ
厳守すべきコンパクトサイズ
小さな空間でレーベル印刷や両面印刷などを両立させるため1ミリ単位の検討が続いた
小さな空間でレーベル印刷や両面印刷などを両立させるため1ミリ単位の検討が続いた
小さな空間でレーベル印刷や両面印刷などを両立させるため1ミリ単位の検討が続いた

一方、読み取り/給紙装置などの製品本体を設計するグループは、コピー/スキャナー/両面印刷に加え、新たに組み込むCD・DVD・BD(ブルーレイディスク)への「レーベル印刷」の機能を限られたスペース内にいかに収めるか頭を悩ませていました。「マイミーオ」のコンパクトサイズは商品力の屋台骨だけに、機能を増やすからといって犠牲にはできません。しかも、レーベル印刷はお客様のニーズが高い必須アイテムです。
「1種類のインクヘッドで厚みの違う紙とレーベルを印刷するのだから、レーベル用トレイを差し込んだ時、上部のインクヘッドを上げるか、下部のローラーユニットを下げるかして対応するしかない」「それは両面印刷の紙送り機構に影響する」「最上部のスキャナーやコピーの読み取り/給紙装置を薄くしないと、高さ18センチは維持できない」。設計陣は1ミリの高さや数ミリの隙間を最大限に活用するため設計図を何度も見直し、議論や試作を繰り返しました。そして、トレイの差込口を開けると複数の部品が連動して形を変えることで、全体の高さは変わらない、カラクリ仕掛けのような仕組みを考案して難題を克服しました。
さらに、デザイン面でも工夫を凝らします。商品企画段階で実施した製品デザイン調査をもとに、製品上部をインテリア性に優れたフルフラットとし、欧米と日本向けで模様を変えることにしました。その際、部品点数を増やさないよう、同じ部品に異なるシートを載せて半透明樹脂カバーではさみ込むアイデアを考案しました。

クラウド*3への接続で商品をさらに魅力的に

クラウドやモバイルとの接続で写真やウェブサービスの楽しみ方が広がる
クラウドやモバイルとの接続で写真やウェブサービスの楽しみ方が広がる

各グループが設計にスパートをかけていた頃、商品戦略上の大きな決断が下されました。「マイミーオ」にクラウド*3との接続機能を持たせ、モバイルと連動した写真の楽しみ方を広げたり、利用者が急増しているウェブサービス*4の世界を取り込んだりしようというのです。たとえば、スマートフォンで写真を撮影し、クラウドにデータを転送・保管しておけば、友人と画像を共有でき、パソコンを使うことなく「マイミーオ」で同じ写真をプリントすることができます。
ただ、これを可能にするには複数のウェブサービス会社と契約を結ばねばなりません。また、異なる仕様のウェブサービスに対応するインターフェイス(情報を仲介するための規格)も必要です。それでも、クラウド接続機能を加えることで「マイミーオ」の商品力を大幅に強化できることから、ソフトウェア開発部門を中心に、新規事業の開発部門や契約業務を行っている法務部門などと部門を超えた協力体制を敷き、同時進行でこれらの課題を解決していきました。

  • *3: クラウド・コンピューティング・サービスの略。従来、手元のコンピューターで管理・利用していたソフトウェアやデータを大規模なデータセンターで保管し、利用者が必要に応じてインターネットを使ってソフトやデータを利用する方式。
  • *4: コミュ二ティ型ウェブサイトやソーシャル・ネットワークが提供するさまざまなサービス。

数々のハードルをクリアして全世界へ出荷

中国から全世界に出荷されています
中国から全世界に出荷されています

2011年春、中国広東省深圳市の工場で生産した新型「マイミーオ」の品質・生産の安定性が、数週間にわたり評価され、ついに出荷判定会の日を迎えました。ここでの審査に合格して初めて製品が世に送り出されるのです。緊張した空気の中で厳正に審査が行われ、品質担当役員の承認が得られました。「出荷、OKです!」
この瞬間、プロジェクトの各リーダーたちは一様に胸をなでおろしました。「今回の開発は、とにかく製品のサイズとの闘いでした。お取引先の工場にもさまざまな工夫をお願いして、期限ギリギリまで頑張っていただきました。これだけ多くの機能を搭載しながらお客様がお求めやすい価格が実現できたのは、これまで蓄積してきたブラザーの技術と知恵を結集した成果です」と開発リーダーの一人は語ります。
商品説明会で「マイミーオ」の説明を受けた販売店の皆さんからは「ブラザーの総合力が花開いた」という感想が聞かれ、IT専門誌の編集者の方からは「複合機の進歩は、おそろしいほど」と驚嘆されました。
お客様に“第3の選択肢”を投げかけた「マイミーオ」は、1台のプリンターが繰り広げる新たな楽しみ方を提示しました。そしていま、開発スタッフはさらなる喜びや驚きをお届けしようと次のチャレンジを開始しています。

新型「マイミーオ」に携わったスタッフ。このほかにも多くの部署・グループ会社・お取引先が情熱を注ぎ込んだ
新型「マイミーオ」に携わったスタッフ。このほかにも多くの部署・グループ会社・お取引先が情熱を注ぎ込んだ


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